読書メモ:Drones: The Facts, Fun & Dangers of Drone Technology

最近のドローン事情について知りたくなったのでいろいろ調べていたらこれを見つけたのでとりあえず読んだ.
www.amazon.co.jp

概要

昨今はドローン市場が盛り上がっているが,どのような分野でドローンが活用されているのか,または活用されると期待されているかについて書かれている.分量は43ページとかなり少ない.値段も320円とお手頃で評価もそこそこよい.英語読むのが速い人なら速攻で読み終えられるのではなかろうか.
分量が少ないだけあってあまり細部については書かれていない印象がある.例えば Amazon Prime Air のようなドローンを使った配達業なんかは注目度が高い気がするのだが,自分の画面だと2ページくらいしか書かれてなくて短い.(法規制のこともあってあまりおもしろい話が無いせいもあるのかもしれないが.)

部の構成については以下のようになっている.

  • Introduction
    • ドローンの歴史について.戦争の最中に開発され,今でも主に軍事用途で使われていることが説明されている.
  • Chapter 1
    • ドローンの種類について.空中に浮遊するヘリコプタータイプ(ロータリー)のものと,RQ-11 Raven のような固定翼のものがある.ロータリーは移動を精密にできるが,電気をよく消費するし移動速度が低い.固定翼のものは省電力で移動速度が大きいが,飛行機と同じように移動するため離着陸に滑走路が必要になる.
  • Chapter 2
    • ドローンの市場規模について.大体軍事用途である(c.f., Drones Report Market Forecast - Business Insider)が,今後は商用利用・個人利用も増えていくだろうとの見通しを立てている.ドローンメーカーは垂直統合と技術ライセンスが主な戦略になっていく.商用利用では農業が80%を占めるようになるだろうと予想している.
  • Chapter 3
    • ドローンは軍事だけでなく,警察でも使われる.
  • Chapter 4--10 : いろんな軍事以外の応用について書かれている.
    • いろいろな応用があるが,以下の3つのどれかに分類できるような気がした.
      • ドローンにカメラなどのセンサーを積んで,人間では辿りつけないか,あるいは従来のヘリコプターのような機体で移動するには高コストだった場所から広範囲に地上の情報を集める.例えば,災害地の監視,上空地図の作成,農地の監視など.農業用途のドローンの需要が大きいのは,現状は多くを人手でやっている農地の監視作業をドローンで肩代わりできるようになるのが大きいのと,今後も世界人口の増加で農業自体の需要が大きいため.
      • ドローンに何かものを積んで,ものの移動手段とする.農地での農薬散布,商品の配送など.法規制が厳しいため,配送は現状ではすごい田舎など人がいない場所に限られる.そういえば,商品の配送でドローンを最初に使おうとしたのは Amazon Prime Air なのかとおもいきや実はオーストラリアの Flirtey というベンチャー企業だったらしい.
      • カメラを載せてかっこいい映像を作る.報道用の映像撮影,不動産の物件のかっこいいPV作成(建物を上空からいい感じに映したらそれで興味を惹かせることができる,らしい… ほんまか)など.
  • Chapter 11
    • ドローンがテロに使われちゃったら嫌だから法規制はやっぱり慎重にしないといけないという話.短い.

感想

ドローンが期待されている使われ方についての記述は自分みたいな素人でも分かりやすかった.反面,ドローン市場の全体像については具体的な数字が少なくていまいちつかみにくいような気がする.今後も状況はガンガン変わっていくので油断ならない.